2026/05/25 16:41
私たちは、クリエイターの作品を、ただのプロダクトとしてではなく、日々の中で触れられるアートピースとして届けたいと考えています。その想いから、Suu to.のマグカップづくりが始まりました。
制作をお願いしたのは、美濃焼きの産地で知られる多治見市の磁器工房と転写工房。
どちらにとっても、新しい挑戦となるものでした。
最初に悩んだのは、陶器にするか、磁器にするか。
いくつもの工房を巡る中で、私たちが惹かれたのは、磁器の透明感でした。磁器には硝子鉱物が含まれており、
光にかざすと、ほんのりと光を透かします。
その静かな質感が、Suu to.の空気によく似合う気がしたのです。
表面には、あえて少しざらりとした釉薬を選びました。
手にしたときの感触や、
どこかクラフトの温度が残るものにしたくて。
その上に、クリエイターの作品をコラージュした転写を重ね、焼き上げています。
けれど、本来、転写は滑らかな面に施すもの。
凹凸のある釉薬では、きれいに焼き上げることが難しいと言われていました。
それでも、どうしても挑戦してみたくて。
工房のみなさんが何度も試作を重ね、
一枚ずつ丁寧に貼り、焼き上げてくださったことで、
ほとんどピンホールのない、美しい仕上がりが生まれました。

「こんなマグカップは初めてです。」
そう話してくださった職人さんの笑顔が、今も印象に残っています。
窯元、転写、貼り、焼成。
それぞれの技術と手仕事が重なり合い、
ひとつのアートピースが生まれました。
日本には、長い時間をかけて受け継がれてきた技術や、
まだ知られていない美しい手仕事が、たくさんあります。
Suu to.では、クリエイターの表現だけでなく、
そうしたものづくりの背景にも、静かに光を当てていきたいと思っています。
手のひらに伝わる質感や、
光の中でふと浮かぶ色。
その小さな感覚とともに、
暮らしの中に、透明な余白を届けられたら嬉しいです。

